令和3年度(第36回)管理栄養士国家試験問題|午後61問〜午後80問

第36回国家試験 問181

K透析クリニックに勤務する管理栄養士である。
患者は、47歳、女性。糖尿病腎症により、週3回の血液透析を行うため通院している。
身長150cm、ドライウエイト50kg、標準体重50kg、尿量200mL/日、透析間体重増加量4kg(中2日)。透析前の血液検査値は、HbA1c 7.6%、尿素窒素53mg/dL、クレアチニン8.5mg/dL、ナトリウム139mEq/L、カリウム4.8mEq/L、リン48mg/dL。普段の食事内容を聞き取った(表1)。

まず取り組んでもらう具体的な内容を伝えた。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問182

K透析クリニックに勤務する管理栄養士である。
患者は、47歳、女性。糖尿病腎症により、週3回の血液透析を行うため通院している。
身長150cm、ドライウエイト50kg、標準体重50kg、尿量200mL/日、透析間体重増加量4kg(中2日)。透析前の血液検査値は、HbA1c 7.6%、尿素窒素53mg/dL、クレアチニン8.5mg/dL、ナトリウム139mEq/L、カリウム4.8mEq/L、リン48mg/dL。普段の食事内容を聞き取った(表1)。

半年後、再び食事内容を聞き取った(表2)。主菜の量が少ないことが気になった。1日当たりの摂取量を概算したところ、エネルギー 1,400kcal、たんぱく質 35g、脂質 40gであった。聞き取った主菜に対する助言である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問183

K病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、84歳、女性。基礎疾患はない。自宅で娘夫婦と同居していたが、家の中で転倒し、大腿骨頸部を骨折したため、入院し手術を受けた。
入院時の身長140cm、体重35kg、BMI 17.9kg/m2。標準体重43kg。筋肉および皮下脂肪の喪失がみられた。血液検査値は、ヘモグロビン9.7g/dL、総たんぱく質6.3g/dL、アルブミン3.0g/dL。咀嚼・嚥下障害はない。自宅での食事は娘が作っており、家族と同じものを食べていた。

患者の入院時に開始する食事である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問184

K病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、84歳、女性。基礎疾患はない。自宅で娘夫婦と同居していたが、家の中で転倒し、大腿骨頸部を骨折したため、入院し手術を受けた。
入院時の身長140cm、体重35kg、BMI 17.9kg/m2。標準体重43kg。筋肉および皮下脂肪の喪失がみられた。血液検査値は、ヘモグロビン9.7g/dL、総たんぱく質6.3g/dL、アルブミン3.0g/dL。咀嚼・嚥下障害はない。自宅での食事は娘が作っており、家族と同じものを食べていた。

リハビリの開始日から、1日当たりの給与目標エネルギー量を200kcal増やすこととした。間食として経腸栄養剤1パック(200kcal/200mL)を提供したが、「おなかが、いっぱいになるので飲めない。」と、摂取が進まなかった。その場合の対応である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問185

K病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、84歳、女性。基礎疾患はない。自宅で娘夫婦と同居していたが、家の中で転倒し、大腿骨頸部を骨折したため、入院し手術を受けた。
入院時の身長140cm、体重35kg、BMI 17.9kg/m2。標準体重43kg。筋肉および皮下脂肪の喪失がみられた。血液検査値は、ヘモグロビン9.7g/dL、総たんぱく質6.3g/dL、アルブミン3.0g/dL。咀嚼・嚥下障害はない。自宅での食事は娘が作っており、家族と同じものを食べていた。

リハビリが進み、自宅への退院の目途が立ったため、患者とその家族に対し栄養食事指導を行うこととなった。優先すべき指導内容である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問186

K介護老人福祉施設に勤務する管理栄養士である。多職種で栄養ケア・マネジメントを実施している。
入所者は、90歳、女性。末期がんと診断されている。自分が食べられなくなったときには、胃瘻を造設しないと入所時から話していた。
以前は、軟菜食を自分で摂取していたが、1か月前から、介護者が食事介助している。食べ物を口に運ぶと、口を開けてゆっくり食べるが、食事の後半は疲労がみられ、傾眠やむせることもある。排便は1週間に1回、尿量は減少しており、口腔内や腋窩の乾燥がみられる。
身長153cm、体重37kg、体重減少2kg/3か月、血圧の低下、呼吸数の低下、下肢の浮腫あり。

本人および家族を交えたカンファレンスにおいて、予後を踏まえて栄養補給の方法について話し合った。本人の希望を尊重し、積極的な延命処置はしないことになった。栄養ケアの目標に関する記述である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問187

K介護老人福祉施設に勤務する管理栄養士である。多職種で栄養ケア・マネジメントを実施している。
入所者は、90歳、女性。末期がんと診断されている。自分が食べられなくなったときには、胃瘻を造設しないと入所時から話していた。
以前は、軟菜食を自分で摂取していたが、1か月前から、介護者が食事介助している。食べ物を口に運ぶと、口を開けてゆっくり食べるが、食事の後半は疲労がみられ、傾眠やむせることもある。排便は1週間に1回、尿量は減少しており、口腔内や腋窩の乾燥がみられる。
身長153cm、体重37kg、体重減少2kg/3か月、血圧の低下、呼吸数の低下、下肢の浮腫あり。

眠っている時間が増え、家族が面会に来たときにも本人は眠っていた。「好物だった干し柿を持ってきたので、食べさせたい。」と相談があった。その返答である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問188

K小学校に勤務する栄養教諭である。児童の望ましい食習慣の形成を目的に、3年計画で、「朝食を毎日食べる子どもの割合の増加」を目標とした食育に取り組んでいる。評価の対象は、計画期間の3年間を通して在籍する1年生から4年生までの600人である。

「朝食を毎日食べる子どもの割合の増加」の達成に向けて、設定した目標である(表)。表のa~cに入る目標の種類として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問189

K小学校に勤務する栄養教諭である。児童の望ましい食習慣の形成を目的に、3年計画で、「朝食を毎日食べる子どもの割合の増加」を目標とした食育に取り組んでいる。評価の対象は、計画期間の3年間を通して在籍する1年生から4年生までの600人である。

表に示す目標「朝食摂取の大切さを理解している保護者の割合の増加」の取組内容の経過評価である。目標達成のために重要な評価指標として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問190

K小学校に勤務する栄養教諭である。児童の望ましい食習慣の形成を目的に、3年計画で、「朝食を毎日食べる子どもの割合の増加」を目標とした食育に取り組んでいる。評価の対象は、計画期間の3年間を通して在籍する1年生から4年生までの600人である。

2年間同じ取組を実施した。2年目が終了し、3年目の取組内容を検討している。「朝食を毎日食べる子どもの割合の増加」の目標達成に向けて3年目に取り組むべき内容である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問191

K社に勤務する管理栄養士である。これまでも、特定健康診査・特定保健指導を実施していたが、社員の脳・心血管疾患の罹患率は高い状態が続き、改善がみられない。そこで、健康保険組合と協議して、実施内容を見直すことになった。

特定健康診査の結果の一部である(表)。この結果から、健康管理の一環として、40歳以上の社員の保健指導の内容を見直した。その内容に関する記述である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問192

K社に勤務する管理栄養士である。これまでも、特定健康診査・特定保健指導を実施していたが、社員の脳・心血管疾患の罹患率は高い状態が続き、改善がみられない。そこで、健康保険組合と協議して、実施内容を見直すことになった。

これまで保健指導を呼びかけても反応しなかった無関心層をターゲットとし、保健指導の利用を促すチラシを作成した。ナッジを活用したチラシとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問193

K社に勤務する管理栄養士である。これまでも、特定健康診査・特定保健指導を実施していたが、社員の脳・心血管疾患の罹患率は高い状態が続き、改善がみられない。そこで、健康保険組合と協議して、実施内容を見直すことになった。

特定健康診査受診者の70%が社員食堂を利用していたことから、社員食堂のメニューを見直すことにした。見直す内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問194

K県健康増進課の管理栄養士である。
K県では5年ごとに国民健康・栄養調査に準じた方法で、統計的に十分な対象者数を得て、県民健康・栄養調査を11月に実施している。
これまでは1日間の食事記録法による食事調査を行い、県民摂取量の代表値を得て、前回調査からの変化を評価できるように実施してきた。今回の調査目的は、経年比較に加え、日本人の食事摂取基準を用いた摂取状況のアセスメントを行い、施策立案の資料を得ることである。

調査目的を達成するための食事調査方法である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問195

K県健康増進課の管理栄養士である。
K県では5年ごとに国民健康・栄養調査に準じた方法で、統計的に十分な対象者数を得て、県民健康・栄養調査を11月に実施している。
これまでは1日間の食事記録法による食事調査を行い、県民摂取量の代表値を得て、前回調査からの変化を評価できるように実施してきた。今回の調査目的は、経年比較に加え、日本人の食事摂取基準を用いた摂取状況のアセスメントを行い、施策立案の資料を得ることである。

1,000kcal当たりの食塩摂取量について、男女とも等分散の正規分布であることを確認した上で、今回と前回の平均値の差を成人男女別に比較したところ、表のような結果を得た。統計的な有意水準は両側5%とする。評価結果として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問196

K県健康増進課の管理栄養士である。
K県では5年ごとに国民健康・栄養調査に準じた方法で、統計的に十分な対象者数を得て、県民健康・栄養調査を11月に実施している。
これまでは1日間の食事記録法による食事調査を行い、県民摂取量の代表値を得て、前回調査からの変化を評価できるように実施してきた。今回の調査目的は、経年比較に加え、日本人の食事摂取基準を用いた摂取状況のアセスメントを行い、施策立案の資料を得ることである。

年代別の検討の結果、40~60歳台男性で食塩を目標量以上摂取している者の割合が、85%と多いことがわかった。40~60歳台男性の食塩摂取量低減に向けて、1年間の食環境整備モデル事業を行うことになった。県内在住従業員が多く、社員食堂の利用率が80%と高い事業所から協力を得た。食塩摂取量の低減が期待できる取組である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問197

K県保健所に勤務する管理栄養士である。食品表示に関する相談業務を担当することになった。
管内に本社と工場を置く食品製造事業者から、販売を予定している商品の表示について相談があった。

食品表示基準に基づき、栄養成分表示(図)の改善点の助言を行った。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問198

K県保健所に勤務する管理栄養士である。食品表示に関する相談業務を担当することになった。
管内に本社と工場を置く食品製造事業者から、販売を予定している商品の表示について相談があった。

相談があった商品について、インターネットに図の内容で広告を出したいと相談があった。健康増進法に基づいた回答として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問199

500床のK病院に勤務する管理栄養士である。直営で給食を運営している。昼食時に1名の患者から、主菜の付け合わせの、せんキャベツに金属片が入っていると苦情があり、病棟の看護師から管理栄養士に来てほしいと要請があった。病棟に見に行ったところ、その金属片は、せんキャベツに用いた生食用食材のフードスライサーの刃のようであった。

この後、管理栄養士が、最初に取るべき行動である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

第36回国家試験 問200

500床のK病院に勤務する管理栄養士である。直営で給食を運営している。昼食時に1名の患者から、主菜の付け合わせの、せんキャベツに金属片が入っていると苦情があり、病棟の看護師から管理栄養士に来てほしいと要請があった。病棟に見に行ったところ、その金属片は、せんキャベツに用いた生食用食材のフードスライサーの刃のようであった。

金属片は、生食用食材のフードスライサーの刃であることが判明し、フードスライサーを買い替えることにした。新品が届くまでの間に、生食用食材のフードスライサーを使用する料理が5回予定献立に入っていた。この間の対応である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。