高血圧患者の栄養食事指導のため、24時間蓄尿を行ったところ、尿量が2L、尿中ナトリウム濃度が85mEq/Lであった。算出した1日尿中食塩排泄量として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
1→他の解説参照
2→解説1)ナトリウム1mEqは、23㎎のナトリウム量に相当する。全尿中には170mEqのナトリウムが排泄されており、尿中ナトリウム量は170×23=3910㎎である。食塩相当量に換算すると3910㎎×2.54(食塩換算係数)×1/1000=9.93gとなる。
解説2)
尿中ナトリウム濃度と尿量から1日の食塩排泄量を算出する別の計算方法を説明します。
食塩(塩化ナトリウム)にはナトリウムと塩化物が含まれています。尿中に排泄されるナトリウムの量を基に食塩排泄量を推定しますが、ナトリウムのみを考慮しても大体の食塩量は算出できます。
ナトリウムのモル質量は約23g/molです。1mEqのナトリウムは、約23mgのナトリウムに相当します。しかし、食塩はナトリウムと塩化物から構成されているため、塩化物の分も考慮する必要があります。このため、1mEqのナトリウムは、約58mgの食塩(塩化ナトリウム)に相当します(Na: 23g/mol, Cl: 35.5g/mol, NaCl: 58.5g/mol)。
尿中ナトリウム排泄量から食塩排泄量を求めるには、次の式を使用します。
食塩排泄量(mg)=尿中ナトリウム濃度(mEq/L)×尿量(L)×58
問題のデータを用いて計算すると、
食塩排泄量=85×2×58
=170×58
=9860(9860mg = 9.86g)となる。
3→他の解説参照
4→他の解説参照
5→他の解説参照